ホテル・ハイビスカス

主演/平良とみ・蔵下穂波

沖縄病」というのがあるのをご存知でしょうか?本土から沖縄へ行った人が罹る病気です。大雑把に言うと10人のうち4:3:3の割合で沖縄が大好きになる人・やや好きになる人・嫌いになる人です。沖縄は美ら島(ちゅらじま)といわれる日本では唯一の亜熱帯気候地域です。この沖縄に訪れてウチナナンチュ(沖縄県の人)の人に出会う旅をした人はほとんどこの病気に罹ります。気候・風土・文化から来る県民性の人の良さに触れると重症の沖縄病に罹ります。
この作品の監督・中江裕司は京都出身ながら琉球大学卒業で、あの「ナビィの恋」で平良とみを一躍メジャーにして、「ちゅらさん」で全国区の顔にした張本人で、この人こそ重症の沖縄病患者なのだろう。その視線、その観点で「ナビィの恋」も「ホテル・ハイビスカス」も作られている。青い空、蒼い海、白い雲、白い波、このピュアで純で素朴なウチナンチュの県民性は自然からの影響が大きいのかも知れない。とにかく明るく大らかだ。その良さをこの映画は明るく大らかに楽しく描いている。例えば、天真爛漫を超越したヒロイン美恵子。美しさに恵まれた子と自分を紹介する小学3年生なんて、本土で言えばイヤミにしかならないし、またそういえる子供もいないが、何のてらいもなく言ってのける無邪気さは沖縄人特有の良さかも知れない。実は天真爛漫を越えると「アホ」になってしまうのだが、邪気が無いということはこういうことなのだと、イイ意味で感心してしまう。美恵子のお母さんのあのおおらかさと逞しさ明るさも爽やかだ。一人目の子ケンジにぃにぃは黒人米兵とのハーフ。二人目の子サチコねぇねぇは白人米兵とのハーフ。そして、美恵子は今の父ちゃんの子。だからホテル・ハイビスカスはインタアナソナルなホテル。母ちゃんがバー勤めをして経営をしているという現状。そのような現状であっても、何のこだわりもなくおばぁと父ちゃんの家長を立てて一家は美ら島の空のように明るく楽しい。
原作は仲宗根みいこさんの同名の86年、講談社コミックオープン大賞を受賞した作品。映画を見る人はこれは映画、フィクションであり、面白おかしく描いているのだろうと思われるかもしれない。実は小生も重症の沖縄病患者で通い続けて35年、100回以上で定かな回数もカウントできない身であるが故に、この話が実際にあっても全然不思議でない、そんな大らかさが美ら島にはあることをお伝えしたい。
 森の精、キジムナー。お盆どぅーいと映画の中ではいっているウークイと呼ばれる先祖の供養。
魂(沖縄ではマブイという)が落ちたといってひらいなおす儀式?美ら島には中国にも日本にも影響を受けなかった仏教とは違う、神と先祖を崇拝して敬い畏れる思想がある。それが根底にある大らかさだから美しいのかもしれない。邪気が無いのは決して子供だけでなく大人たちもそうだ。「出逢りば兄弟(イチャリバチョウデイ)」という言葉を生み出す言語文化も美ら島の特性だ。台風銀座と呼ばれる地域にあって、その苦難を凌ぐ想いは諦めではなく自然を受容する「大らかさ」であるとするならばウチナンチュの精神性に敬服せざるを得ない。
愛は全てを受容することだ。教育の原点もそうあるべきだ。塾がそのような教育を実践するならば、学校を超えた教育が適うようになるだろう。指導者の「おおらかさ」が子供の心を包む。ストレスに悩む子供たちの魂が眩しくなるはずはない。魂の教育。マブイがマブシイと思えるような子供を塾が育てていける日が来ないものだろうか。

  
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