ギャング・オブ・ニューヨーク

主演レオナルド・ディカプリオ/キャメロン・ディアス
50年代以上の人にとっては、「映画は僕の青春だ」と言って憚らない人も数多いことだろう。一時期、日本の映画会社の関係で停滞低迷期もあったが、今、映画館・映画界は熱い。松竹・東映・東宝・日活・大映が全盛期の時、今や、郷愁的な臭いすら懐かしさを覚えるが、トイレではなく‘便所’だったころ、あの暗い空間(当時の時代を反映)と銀幕(高度経済成長に象徴される未来)に、夢と希望が満ち溢れていた。主人公は時に自分自身であったり、夢の中のヒーローであったりして身近な存在として、そこに映画が生活の中に馴染んでいた。昨今の映画事情は随分変わってきた。清潔で見やすく一種の安心、快適空間が広がっている。筆者は神戸在住で今流行のMOVIX系列の六甲に日曜のレイトショーか平日の朝に鑑賞して、この原稿書き勤しんでいるが、月一の癒しタイムになっている。ビデオとテレビの映画番組が映画ファンを増加させたようだ。アミューズメントビルに位置していて行き帰りの娯楽を付加させていて実に楽しい。おじさん達よ、映画館に足を運んで青春を取り戻そう。塾業界へのヒントがきっとあるかもしれない。
日本人が、時代劇が好きなように、アメリカ人はギャング映画がお好きなようだ。構想30年、撮影270日、制作費150億円。全世界待望の超大作、ついに公開!鳴り物入りの正月映画。超娯楽作品としては一級品か?しかし、「ゴッドファーザー」に比べられると少し見劣りする。レオファンにとっては、「タイタニック」の時よりもはるかに逞しく、男らしさを増したという点では大いに評価できる。キャメロン・デイアスの方も「メリーに首っ丈」の時の清楚なセクシイーさから見れば格段と女に変身していた。この2大俳優を見る向きにはグッドな映画だ。レオを語るとき、忘れてはならない作品はなんと言っても「ギルバート・グレープ」だ。あの知恵遅れの少年役の演技は、彼にとって原点であり出発点だ。レオの映画を見るときこの映画を見ているのとそうでないのとでは、面白さ楽しみ方が全然違ってくる。映画ファンなら必見の映画でぜひお奨めしたい。
この映画「予告編」秀逸だった。これは映画会社に心から拍手をお贈りしたい。これも大事な商品の一つだと思う。ラストシーンも見もの。終わりよければ全てよし、とするならば合格点がつけられる。ラストの映像と音響に監督マーテイン・スコセッシの想いが集約されていた。かつて、一度でもN.Yを訪れマンハッタンに足を入れた人は必見。これから先、N.Y行く可能性がある人も必見。アメリカが好きな人も必見。今年に夢と野望を賭ける人も必見。N.Yの150年の歴史のパワフルさをこの映画に見たとしたら、やっぱりアメリカはアメリカやと思わざるを得ない。作品としてではなく、アメリカ映画として見たら、これはやっぱり超大作といえる。ひとり一人の青春の色が違うように、映画の見方も違う。だから、映画は面白い。
映画界が客足を取り戻した、ここ数年の動静の中に塾人の学ぶべき教訓が隠れているように思われる。今年は仕事の一つだと思って4.5回は映画館に足を運んで見てはどうだろうか?