生きているということは  




生きているということは  
永六輔

生きているということは
誰かに借りをつくること
生きていくということは
その借りを返してゆくこと
誰かに借りたら誰かに返そう
誰かにそうしてもらったように
誰かにそうしてあげよう


人生55年、どれだけ多くの人にお世話になって借りをつくって来たことだろう。
これからの人生でどれだけお世話にならなければならないのだろう。
お借りした人には到底お返しすることは不可能なことだ。
だから、誰かにお返しをさせて頂いてお許しを乞う。そうしないと生きていくことは難しい。
有難うの返し愛。配り愛。その連愛ごっこでみんなは結ばれている筈なのだ。
連愛の夢を唱える。一人でも多くの人に、これも誰かにお借りしたお返し。